旦那は一年間の完全無職状態を脱して、やっと仕事を始めた。
でもその頃には、私はもうどっぷり借金地獄に浸かっていて、毎日のようにかかってくる借金取り建ての電話とかでヒヤヒヤしてたし、どうやってお金を持たせられるか。。とか子供たちのランチ代は今月支払えるのだろうか。。。とか、心配事がいっぱいで夜も眠れず、体調にも精神状態にも異常をきたしていた。
子供たちの成績もどんどん落ちていたけど、見てみぬふりをしていた。特に高校一年生だった長男と、中学3年の長女とはまともに向き合う時間もほぼなく、学校の行事にも一切参加していなかったし、宿題を見てあげたりすることもなかった。日々の食事を作るだけでいっぱいいっぱいだった。精神的にかなり追い詰められていて、このままだと気が狂いそう。。。って自分でも思っていたけど、もうその時点ですでにおかしかったんだと思う。。。
それまで夫婦間でずっと守ってきた「子どもたちの前で喧嘩をしない」というルールは、もはや守ることが難しくなっていた。小さなアパートに引っ越したら、もう二人だけで静かに話せるスペースなんてなかったし。
旦那が無職になって数ヶ月程経った頃だと思う。子どもたちの目の前で初めて怒鳴り合いの大喧嘩をした。
泣きながら旦那に「いい加減、なんでも良いから仕事してよ！」って怒鳴って、それまでに溜まってた不満をぶつけた。
安くて古いアパートだから壁も薄くて隣人も全部はっきり何を言ってるか聞こえていたんだろうけど、そんなの気にならないくらい、もう感情が抑えられなかった。旦那も私に怒鳴り始めて「お前は俺を理解しようとしてない。」「お前がやっていることは倒れた人間を更に蹴り上げるような悪魔の所作だ！」って。
その時高校一年生だった長男は私達の間に入って「ママ、ひどすぎるよ」って旦那をかばった。
これにはかなりこたえた。。
自分では家族のために必死で頑張っているつもりだったけど、明らかに良い妻でも、良い母親でもなかった。特に、お金のことで頭が一杯で、子供たちとの時間を持っていなかった。子どもたちにはずっとつらい思いをさせていた。
旦那は仕事も家事もしないけど、子供たちにとっては優しい父親だったんだと思う。私が仕事で一日中外で働いている間、いつも家にいて一緒にテレビゲームしたりしていたし。
子供たちにとっては父親は父親だし。お金の事情も知らなければ、旦那を責め立てる私は異様に映っただろうな。。あんな金切り声で怒ってる私を見て引いたんだと思う。
それ以来本当に旦那との会話は携帯のショートメールかEmailだけになって本当に一切喋らなくなった。旦那に対しての嫌悪感が激しくなって、声を聞くだけで吐き気がするくらいまでになった。
同じ部屋にいることを避けたから、子どもたちにとっても地獄のような生活だったと思う。あれ以来私と旦那が会話するところを子どもたちは見ていない。
旦那のアフガニスタンでの勤務のときに爆破の衝撃で聞こえにくくなった片方の耳も、PTSDも直接戦争や軍に勤務していたこととの関連性が証明できないということで、補償は降りなかった。
当時の月収入(手取り)と家賃
- 旦那の退職金:$1,200.00
- 旦那の仕事収入:$1,600.00
- 私の収入:$1,700.00
- 家賃：$1,450.00
結局旦那が仕事を始めたあとも、家賃全額は支払ってくれず、旦那から渡されるお金に足りない分を補填して家賃を支払い、更にローンの支払い、食費、光熱費、子どもたちにかかるお金はすべて私一人で支払い続けた。旦那に助けを求めても、いつも「お金がない」と言われ続け、それでも支払期日は来るので、お金が足りないときはクレジットカードを使ってたから、どんどん負債が増えていった。
旦那が仕事を始めたらローンもクレカも返済の見込みがつくと思いこんでいたから、そうじゃないと気づいたときに目の前真っ暗闇になった。
毎日のようになる取り立ての電話に、最初の頃はビクビクしていたけど、返済できるあてがないとわかった途端、もう開き直るしかなくなった。。
「払えるお金があったらすぐにでも全部支払いたいんですが、次のお給料日は家賃を支払わないといけなくて、更に子供のランチ代も支払わなきゃいけないし、電気代とガス代支払ったらもうお金が残らないです。。子どもたちの食費と家賃だけは絶対に確保しないといけないから、正直言うとしばらく返済できません。。いつ支払えるかもわからないです。」って。。人間として終わってるよね。。
取り立て屋さんにもありのままを全部話してたけど、そうすると相手は言うことがなくなるみたい。。
「なんでこんなになるまで借金を放っておいたのよ。。。」とか「もっと稼げる仕事探してみたら？」とか、アドバイスくれる人も出てきたり、「支払わなかったら法的手段に出る」って言われたこともあったけど「それで訴えられた場合私どうなるの？」って聞いてみたら「そんなの俺に聞くな、俺も知らん。これは俺が仕事でやってることだ！」って言われたり。
結局どうしようもなくなって。状況打破しようと色々調べたりしているうちに「自己破産」という結論に行き着いた。
調べてみたら、破産申請にかかる費用は＄1500ほどだった。
破産をすることの大きなデメリットは、社会的に信用をなくしてしまうこと。
アメリカでは、この信用はクレジットスコアとかクレジットヒストリーというもので図られる。
アパートを借りたり家を買ったりローンを組んだりするときに調べられる。もちろん、スコアが低いと借りられない。仕事の採用にも影響する。スコアが高ければ高いほど良い金利でお金が借りられたり、クレジットカードの限度額もかなり大きくなったりする。
破産した場合、そのクレジットヒストリーに大きな不合格の烙印を押されるようなものでそれは7年から10年間は消えずに残り続ける。
その間、大きなローンは組めないし、数年間分の家賃が支払えるほどの預金があることを証明できない限りアパートを借りることも難しい。10年間大きな買い物をしたり職場を変わったり引っ越したりしない覚悟で破産申告をしなくてはいけないのだ。
その時点でクレカだけで2万ドルほどの借金。そしてローンが1万5千ドルくらい残っていたから、＄1500で3万5千ドルの借金をなかったことにできるなら、10年間我慢しよう、とついに決意した。
旦那に、夫婦での破産を持ちかけたが、旦那は承諾しなかった。旦那は全く生活に困っていなかったらしい。。。。。。。
でも、一番大きなローンは私名義で借りていたが、旦那は保証人になっていたから、もし私だけが破産申請すると、彼に支払責任が移ってしまう。
そこで離婚を提案した。破産前に離婚すれば、彼には迷惑はかからないと思ったから。それも承諾してもらえなかった。
「離婚も嫌、破産申請も嫌、かと言って支払いを手伝うのも嫌。ってのは十分に理解した。」
「じゃ、私一人で破産申請するけど、文句ないよね。」って携帯にメッセージ送ってから弁護士に連絡を取った。
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