破産のことをいろいろ調べ初めて知ったことだったが、アメリカでは破産はフレッシュスタートとして、人生をやり直すツールの一つみたいな感覚で、必ずしもネガティブなことではない、という見方もあるんだってこと。
だけど、簡単に借金をチャラにできるってことで、それを悪用する人たちもいるそう。
例えば、住んでる家や、使っている車とか株とか、物によっては破産しても手放さなくて良いものも色々あるので、よほどの贅沢品じゃない限り、家財道具が差し押さえられたりすることもないらしく、それを逆手に取って最初から破産する目的で、返済できないのに高価なアクセサリー、衣類、車、家具なんかを一気に購入する人たちがいるらしい。
私の友人の知人家族は、「破産すればいいから〜」といって家族旅行とかクルーズ旅行なんかも盛大にしていたらしい。
トランプ前大統領は確か3回破産経験あったよね。
だからこそ、破産する条件が満たされているのか、とか、破産するまでのお金の出入りを細かく調べられる。破産の直前に大きな買い物をしていないかどうか、とか。また返済できるあてもないのにむやみにお金借りていなかったか、とか。
私は弁護士を見つけて、書類の準備をして、いろいろとアドバイスももらった。破産申請への最初のステップとして、お金のお勉強のオンラインクラスを受講することを義務付けられていて、その修了証を弁護士さんに提出してから、裁判所に行く日付が決まった。
予定の日、裁判所に行くとその場には、私の他に15人くらい破産申請に来ている人たちがいて、なんだかみんながお互いを優しい目で見ている気がした。。(辛かったよね。。。もうすぐ楽になれるね。。。みたいな。。)
年齢や人種も色んな人がいて、全員が同じ時間帯に同じ部屋に通されるんだけど、順番に呼ばれて裁判官の前に行く感じ。。。
誰かの借金負わされたとか、単純に派手な生活の結果なのか、何がきっかけだったのかわからないけど、勝手に他の人のストーリを想像しながら自分の番を待った。
「みんなも色々あったんだよね。。辛かったけどさ。次こそは頑張ってお互いに借金なんて作らない人生にしよう!これが最初で最後の破産にしようね!絶対!」って勝手に心のなかでエール送りながら。
アメリカって、医療費が馬鹿高いから、なにか大病とか怪我したのがきっかけで、治療費が支払えなくて破産する人も結構いるらしいから、あの中にそんな境遇の人もいたのかもしれない。
私の順番が来て、私の破産申請が受理されるまで5分もかからなかった。
呼ばれて前に座ると同時に私の弁護士が私のIDと書類を裁判官へ手渡した。
裁判官がいくつか私に質問をする。
「名前はこれであってますか?」
「結婚をしているけど、夫婦ではなく、あなただけが破産申請するんですね?」
「提出した書類に虚偽はありませんね?」
そのくらいだったと思う。
「ここに来ているもので彼女の破産申請に意義のある人がいれば今名乗り出てください」と、傍聴席を見渡す。。。。そして誰も何も言わず。。
「あなたの破産申請を受理します」
私はその瞬間借金ゼロの女になった。
ちなみに、他の人の番のとき、ジュエリー屋さんと思われる人が傍聴席にいて、「異議あり!」と声を上げてた。「この人は一ヶ月前に数万ドルの指輪を買ったわ。返すつもりはなかったはず!」と。でも、その後のやり取りで、実際に買ったのはその人の元彼女で、その彼女とは連絡が取れなくなって今どこにいるのかもわからなくなったそう。。結局この男性の申請も受理されていました。
この傍聴席にはお金を貸している人たちが参加する権利があるそうですが、大きなクレカとかローン会社がこういう場に来ることはめったになく、普通は物言いつかずに静かにどんどん受理されていくそう。だから私がその日目撃した高価な指輪を買ったお兄さんのケースは稀だったんだ。。
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